FERRARI 290 MM #01

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記念すべき第一作は、原型の仕上げが荒いことで有名なエチエンヌ・ドーン氏のお仕事です。

実はこのキット、もう二年近く前に購入して、作りかけのまま放置していたものです。

ルネッサンスのキットは左右非対称だと聞いてはいたのですが、素人にはどうにも手の施しようがない複雑な歪みかたをしており、これは目を瞑るべきか、いやせめてパネルラインの歪みだけは見逃すまい、と思い切ってパテで埋めてしまったらやっぱり素人、もう手に負えなくなり、という次第です。

その後私生活が慌ただしくなりはじめ、かつ東欧製の複葉機のプラモデルに浮気したりしているうちに、気づいたら二年が経っていました。

1/43というジャンルは、中学生の頃に叔父の家にあったモデルカーレーサーズで早川松芳氏の作品を見て以来ずっと憧れていたのですが、試しに作ってみたタメオのメタルキットでいきなり挫折、それから十数年後、もう一度ちゃんと製作しようと決意した矢先にふたたび挫折、このままでは一生胸を張って模型趣味を謳えないかもしれない、というわけで今回のブログ開設に至ります。

誰も読んでいないかもしれないけれど、とりあえず不特定多数に向けて宣言してしまうことで、自分を追い込むというわけです。

 

今回は諦めません、たぶん。

 

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まずはがんばってここまで来ました。

プラ板で型板をつくり、埋めてしまったスジ彫りを再生します。彫り直してもやっぱり左右非対称になってしまう自分の腕に愕然としますが、やり直しは一回までと決めておきます。

今回の目的は、いまの自分にできる事とできない事を明確にすること、そしてとにかく完成させることです。

エッチングのトノカバーはボディと一体的に見えるよう、ここで接着しておきます。

 

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ボディ下部も二年前にポリパテを盛ったまま放置してありましたが、せっせと削り、なんとか曲面が繋がるようにします。

ホイールアーチの縁はモーターツールで削って薄くしました。定番工作らしいです。心が折れない程度に、なんでも自分で試してみることが大事。

その他、底板がちゃんと嵌るようにボディ裏側もあちこち削って調整してあります。

 

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続いて車高調整をします。

すこし高すぎる気もしますが、実車もこんなものだろうと自分に言い聞かせます。

ところでファン・マヌエル・ファンジオの乗っていたこの車体番号0626は現存しており、ネット上でも膨大な数の画像を見つけることができますが、特にサザビーズのウェブサイトに掲載されているものは素晴らしいと思います。さすが落札価格30億円の商品です。

で、その写真と見比べてみると、このキットは細部がぜんぜん似ていないことに気づきます。とはいえ僕の大好きな車ですので、うまい具合に脳内補正されて、もう290 MMにしか見えません。

目が曇るとは、まさにこのことです。