FERRARI 290 MM #06

 

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粛々と作業を進めております。
目と口が銀色になりました。Mr.カラーの8番です。
口のほうはもっとギラギラしていたほうが模型映えしたかもしれませんが、今回はこれくらいの慎ましさで済ませておこうと思います。
小さなダクト等にもエナメルのフラットブラックでスミ入れをしておきました。
ボンネット上部のダクトはすこし大きいので、後ほど別パーツを接着予定です。
 

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裏側も真っ黒になりました。表面処理の粗さが目立ちますが、ドーン氏の影響だと自分に言い聞かせます。
複雑なマスキングに慣れていなくて、塗料の回り込み等にも見舞われましたが、2000番ペーパー→コンパウンドで揉み消しました。
 
と、何事もなかったかのように報告しておりますが、実は目玉の飛び出るほどの失敗があったのでした。
 

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コンパウンド作業の後、トノカバー周辺のスジ彫りに詰まった粉を爪楊枝で掻きだしていたところ、どういうわけか縁の塗料がペキッと欠けてしまったのです。まったく意味が分かりません。
で、大人しくその部分だけリタッチすればよかったものの、スジ彫りの底にあまり塗料が回っていないことにも気づいてしまいよしこれなら思い切ってトノカバー周辺に塗料を流し込んでみようと考えたのが間違い。
いや、たぶんそれ自体は致命的な間違いではなかったのですが、冷静に手順を考えられなかった僕の迂闊さこそが、絶望的なのでした。
マスキング裏に塗料が染み込んでクリアー塗膜を侵食してしまうし、稀釈が甘かったためにスジ彫りもすこし埋まってしまいました。
本来ならば、適切に稀釈した塗料をマスキング無しで流し込み、乾燥後に周辺をコンパウンドで磨いてリカバリー、という方法が、僕の腕では最適解だったように思います。
 

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とはいえ、乾燥後に苦労してクリアー塗膜を磨きなおし、スジ彫りは相変わらず醜いものの、離れて見ればあまり目立たず、どうやら制作意欲が大幅に削がれるという事態は避けられたのでした。一安心。
 
それにしても、蛍光灯に照らして眺めるたびに見つかる小傷たちが悩ましいです。
これをすべて消し去るのは至難の業。
次回は執念を見せるか、それともオーバーコートで飲み込んでしまうか。
今回に関しては、以前から気になっていたコート剤を試してみようかと考えております。
 
そうそう、小物たちの準備も着々と進んでおりますが、それはまた次回。

FERRARI 290 MM #05

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みなさま、ごきげんよう
 
9ヶ月も更新がないとはブログどころかそもそも管理人の生存すら疑わしい、と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、ちゃんと東京砂漠のなかを右往左往しておりました。
去年末から趣味ではなく本業のほうのものづくりが始まり、僕の人生にとってとても大きな意味を持つプロジェクトでしたので、そちらにかかりっきりだったのです。
 
それも小休止というか、無事にひと段落がついたので、ひさしぶりに趣味のものづくりに戻ってきました。
約束します。あちらもこちらもちゃんと完成させると。
 
で、途方もなくじっくり乾燥させたクリアー塗膜は、素晴らしい研ぎ頃を迎えております。
まずは2000番のフィニッシングペーパーで全体を空研ぎして、微妙に波打った表面やデカールの段差を平滑にしていきます。
ツヤツヤだった表面が艶消しになっていく様は、すこし悲しいです。
次に綿棒を使って、タミヤコンパウンドの細目→仕上げ目で表面を磨きました。
写真は一通りの研磨が終わった状態です。
途中から薄々気づいてはいたのですが、やっぱり各段階での研ぎ方がぜんぜん甘かったようです。
表面をよーく観察すると、塗膜のうねりもデカールの段差もちゃんと消えていません。光の反射具合があまり鋭くない様子をご覧いただけるかと。
これは、磨きすぎて下地を出してしまうことを僕が怖がりすぎたためです。
厚みのよくわからない透明な塗膜を削るのって、すごく怖くないですか?
というわけで、もう一度ペーパー当てからやり直すかこのまま終わりにするか悩んだ挙句、今回はこれで良しとしました。
臆病者の判断ですが、今回はとにかく完成させることが目標ですし、この状態でもけっこうピカピカで悪くない気分です。
勇気は次回作への課題にします。
とはいえ、まだ微細な傷が残っているので、あと一回は仕上げ目で磨く予定です。
昨日から実家に帰省しているので、作業は小休止。

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ボディのあれこれと並行して、底板や小物の調子も整えていました。
このキットは各部品の整合性がとても低かったので、かなり初期の段階から何度も仮組みを繰り返してきたのですが、とりあえずここらへんで了とします。
写真はサーフェイサーを吹いて、いよいよ塗装という状態です。
レジンを削ったりプラ板/棒を貼ったりしていますが、素組みと比べて多少なりとも雰囲気が良くなったかは不明です。
ただ、エグゾーストパイプの端部を外径1.5mmの真鍮パイプで置き換えて、淵を薄く削ってみたのは効果的だったようです。
底板には台座固定用にナットを埋め込んでいます。
そろそろケースを買わないと。
 
以上、本当に久々の作業報告でした。
次回はいつになるやら。

FERRARI 290 MM #04

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塗膜が乾燥したところでデカールを貼り、一晩放置。
翌日クリアーを吹きました。
 

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シンプルなマーキングが素人に優しいと思っていたら、やっぱり失敗しました。
スジ彫りを跨いでいるゼッケンデカール、半乾燥後にデザインナイフで切り込みを入れたところ、誤ってボディの塗装を剥がしてしまいました。新品の刃恐るべし。
慌てて筆でタッチアップ。あまり綺麗にはいきませんでしたが、クリアーを吹いてみるとそこまで気になりません。とりあえず目も当てられない、という事態は避けられました。
 

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ボンネットのデカールはうまく分割できました。この車は鼻が命だと思っています。
 
クリアーはガイアカラーEX03 EXクリアーです。合計で三回半ほど吹いています。
乾燥が早いと評判ですが、調子に乗って一回の量を多くしすぎました。一部のスジ彫りの周囲で塗膜が盛り上がりすぎています。研ぎ出しが大変そうです。
 
ともあれ、ここまで出来上がってくると290MMの可愛さに震えんばかりです。ぬいぐるみが欲しい。
一週間ほど乾燥させつつ、頭を冷やそうかと思います。

FERRARI 290 MM #03

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第三回目。赤くなりました。
ガイアカラー003 ブライトレッドです。
Mr.カラーのスーパーイタリアンレッドよりもかなり明るく、クラシックフェラーリには似合っているかと。
ただ、巷で言われているほど鮮やかではないように感じるのは何故でしょう。下地が透けてしまったからか、それとも世間一般で使われている「鮮やか」という言葉が僕の用法と違うのか。
僕の眼に問題があるかもしれないというのは、あまり考えたくないオチです。
とにかく次作は下地に白かピンクを塗ってみましょう。
 

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続いてガイアカラー005 サンシャインイエローとMr.カラーC322 フタロシアニンブルーで鼻先をファンジオ仕様にします。
模型映えする配色にあらためて感激します。
ただ、鼻先は曲率が大きくてマスキングに苦労しました。結果、所々はみ出してしまったり。
 

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ここでまたまた事件です。
はみ出した塗料をタッチアップしたり2000番のペーパーで削ったりと修正していたのですが、エアブラシで吹いたイエローと筆で乗せたイエローの色味が違う。エアブラシ塗装のほうは下地が透けていたのでしょうか、すこしだけ暗いのです。
とはいえこれ以上がんばっても状態を悪化させるだけかと思われたので、ここで放置することに決定。
そしてもう一点。
デカール下地用にクリアーを吹いたのですが、どういうわけかペーパーを当てた部分の赤色が暗く変色してしまいました。稀釈しすぎたクリアーを一気に吹いてしまったのが原因かもしれません。塗膜がシンナーに侵されてしまったということでしょうか。
 
ともあれ、今まで積みあげてきた小さな失敗と、これから山のように積みあがるであろう失敗を勘案すれば、これまもた、些細なことなのだと自分に言い聞かせます。
 
それにしても、写真には失敗の痕跡が正しく記録されていませんね。備忘録として大問題です。要改善。

FERRARI 290 MM #02

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さて二回目。毎日更新なんて面倒なことはできないので、製作のフェイズ毎に区切っていきます。
俺のフェイズ観とは違う、という批判はご容赦。
 
Mr.メタルプライマー改→Mr.サーフェイサー1200の順番で吹きつけます。
ついでに気泡や大きな疵にラッカーパテを塗り込んでおきました。
ほどよく乾燥させてから400番のペーパーで研いでみるとびっくり、サーフェイサーがぼろぼろ剥がれてくるではありませんか。
ルネサンスのレジンは意外とつるつるらしく、プライマーだけでは不充分だったようです。ちゃんとペーパーで足付けしておくべきでした。
何事も経験ということで、シンナー風呂なるものを用意して、290MMにはまた裸になってもらいました。
で、今度はそこそこ真面目に足付けをしてから再度プライマー→サーフェイサーを吹き、でもまた剥がれるのが怖いから下地を出さないように軽ーく研いでみる、という過程を三回ほど繰り返してとりあえず下地処理は完了。
大胆さは次回への課題ですね。
 
最後に全体を1000番のペーパーで研いでつるつるにしてみたのは、ただの気分です。僕の腕では、この平滑さが後々役立つとは思えません。
 

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サーフェイサーを吹いてみると、あらためて全体の形状やら細部の仕上げやらがよくわかります。
左右非対称がひどい。これは半分僕の責任です。
スジ彫りの精度がひどい。これは全部僕の責任です。
腕のなさに落ち込むのと、そんな腕でもなにかを生み出しつつあることに喜ぶので、半々くらいですかね。
 
とにかく、手が止まらない程度には楽しいのです。

FERRARI 290 MM #01

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記念すべき第一作は、原型の仕上げが荒いことで有名なエチエンヌ・ドーン氏のお仕事です。

実はこのキット、もう二年近く前に購入して、作りかけのまま放置していたものです。

ルネッサンスのキットは左右非対称だと聞いてはいたのですが、素人にはどうにも手の施しようがない複雑な歪みかたをしており、これは目を瞑るべきか、いやせめてパネルラインの歪みだけは見逃すまい、と思い切ってパテで埋めてしまったらやっぱり素人、もう手に負えなくなり、という次第です。

その後私生活が慌ただしくなりはじめ、かつ東欧製の複葉機のプラモデルに浮気したりしているうちに、気づいたら二年が経っていました。

1/43というジャンルは、中学生の頃に叔父の家にあったモデルカーレーサーズで早川松芳氏の作品を見て以来ずっと憧れていたのですが、試しに作ってみたタメオのメタルキットでいきなり挫折、それから十数年後、もう一度ちゃんと製作しようと決意した矢先にふたたび挫折、このままでは一生胸を張って模型趣味を謳えないかもしれない、というわけで今回のブログ開設に至ります。

誰も読んでいないかもしれないけれど、とりあえず不特定多数に向けて宣言してしまうことで、自分を追い込むというわけです。

 

今回は諦めません、たぶん。

 

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まずはがんばってここまで来ました。

プラ板で型板をつくり、埋めてしまったスジ彫りを再生します。彫り直してもやっぱり左右非対称になってしまう自分の腕に愕然としますが、やり直しは一回までと決めておきます。

今回の目的は、いまの自分にできる事とできない事を明確にすること、そしてとにかく完成させることです。

エッチングのトノカバーはボディと一体的に見えるよう、ここで接着しておきます。

 

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ボディ下部も二年前にポリパテを盛ったまま放置してありましたが、せっせと削り、なんとか曲面が繋がるようにします。

ホイールアーチの縁はモーターツールで削って薄くしました。定番工作らしいです。心が折れない程度に、なんでも自分で試してみることが大事。

その他、底板がちゃんと嵌るようにボディ裏側もあちこち削って調整してあります。

 

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続いて車高調整をします。

すこし高すぎる気もしますが、実車もこんなものだろうと自分に言い聞かせます。

ところでファン・マヌエル・ファンジオの乗っていたこの車体番号0626は現存しており、ネット上でも膨大な数の画像を見つけることができますが、特にサザビーズのウェブサイトに掲載されているものは素晴らしいと思います。さすが落札価格30億円の商品です。

で、その写真と見比べてみると、このキットは細部がぜんぜん似ていないことに気づきます。とはいえ僕の大好きな車ですので、うまい具合に脳内補正されて、もう290 MMにしか見えません。

目が曇るとは、まさにこのことです。